福岡市南区平和のすみい婦人科クリニック

不妊外来の手引き

当クリニックでは、ご結婚されてからなかなか妊娠に至らない方や、
次のお子様ができにくい方を対象に、不妊症の検査を行っています。
当クリニックで行っています検査についてご説明致します。

1基礎体温(BBT)
  婦人体温計で毎日の基礎体温を記入して頂きます。
排卵の有無やホルモンの分泌状態の目安となります。
(但し,毎日決まった時間に測る必要はありませんが、最低3時間の安静後に測って下さい。)
2子宮卵管造影検査(HSG)
  月経終了後、排卵前に行います。レントゲン透視下に、
子宮の入り口から子宮内へ造影剤を注入して、子宮の形態異常や卵管の通過性を調べます。
また、翌日に、骨盤のレントゲン撮影により腹腔内の造影剤の広がり状態を調べ、
卵管周囲癒着の有無を調べます。これは、子宮の形態異常や卵管の通過性を調べるだけでなく、
子宮卵管造影検査の後は、妊娠率も高くなることより、治療的意味も兼ねています。
cf:この検査には、多少の痛みを伴いますので、検査開始30分前に痛み止めの坐薬を入れます。
3超音波検査(UST)
  卵胞発育や子宮内膜の厚さを調べます。卵胞の大きさが18mm以上であれば
一両日中に排卵が起きますので、そのタイミングをみて夫婦関係をもつようにしてもらいます。
4頚管粘液検査(CM test)
  排卵の頃は、子宮の入り口(頚管)の粘液が増え、精子が子宮中に入っていき易くなります。
その量と牽引性(伸び具合い)を調べます。
5性交後試験(フーナーテスト,PCT)
  卵胞の大きさや頚管粘液の状態から排卵日が予想されると、その日に合わせて行います。
検査当日の朝、或いは前日の夜、夫婦関係をもっていただき頚管粘液と御主人の精子との
相性度を調べます。この検査で御主人の精子の状態もおおむね推測されます。
なお、この検査を行う前は、3~4日間の禁欲を守って下さい。
6精液検査
  最近は男性因子が原因であることが増加しています。
前項のフーナーテストの結果が悪い場合、御主人の精液自体を直接検査する必要があります。
精液量、全精子数、運動率,奇形率、および妊孕係数を調べます。
なお、この検査を行う前は、前項と同様に、3~4日間の禁欲を守って下さい。
7ホルモン検査
1) LH、FSH、エストロゲン、プロラクチン
月経開始後2~3日目に行います。下垂体から分泌されるLH、FSH、
プロラクチン、および卵巣機能の基礎値となるエストロゲンを 調べます。
2) エストロゲン,プロゲステロン
排卵後7日目に行います。これは、受精着床に大切な黄体機能
を調べます。また、超音波検査で子宮内膜の厚さも調べます。
3) 甲状腺刺激ホルモン
甲状腺疾患は女性に多い病気です。甲状腺疾患があると、卵胞
発育に悪影響を及ぼしたり、妊娠しても流産し易くなります。
これは、月経周期と関係しませんので適時調べます。
8クラミジア感染症の有無
クラミジアは、現在、性行為感染症で最も多い疾患です。
不妊症の患者さんの約50%にクラミジアが陽性であるといわれています。
症状はおりものが主ですが、約50%は症状がありません。しかし、感染があると、
子宮頚管、卵管、骨盤腹膜に炎症を引き起こし、骨盤内癒着や卵管閉塞の原因になります。
検査は、子宮頚部より直接クラミジアの培養を行う場合や採血でクラミジア感染の有無を調べる方法があります。

以上、当クリニックで行っている検査内容を説明致しましたが、御不明な点がございましたら、
ご遠慮なく,医師や看護師にお尋ね下さい。