福岡市南区平和のすみい婦人科クリニック

経口避妊薬服用を希望される患者様へ

  経口避妊薬(以下ピルと称します)は女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)と
プロゲステロン(黄体ホルモン)の合剤です。これらの成分の働きで卵巣からの排卵を抑制することにより、
避妊効果を発揮します。ピルは他の避妊法と比較しても非常に良好な避妊率を持ち、
また女性主導で避妊ができるという特徴を持っています。さらにピルの服用により、
月経痛の軽減、月経不順・過多月経の改善、子宮体癌や卵巣癌の発生頻度の減少など避妊以外の副効用もあることが知られています。
現在、日本で市販されているピルはいわゆる低用量ピルと呼ばれるもので、エストロゲン含有量が
1錠あたり50マイクログラム(0,00005グラム)未満と非常に低い量になっており、
健康な女性が長期間服用しても副作用のほとんどない安全な薬となっています。
しかし合併症のある方や喫煙をされる方ではピルが適さない方もあり、
当クリニックでは服用開始前にピル服用希望者用の問診票で、
ピルの服用が安全かどうかを判定しています。
ピルが適さない患者様に対しては医師がその旨を説明し、
最も良い避妊法を一緒に考えたいと思いますので、ご理解の上ご協力下さい。
またピルは病気に対して処方される薬剤ではありませんので、健康保険の給付対象とはならず、
薬剤費、診察費、検査費など全て自費診療となります。
料金に関してのご質問等ありましたら医師あるいは看護師にお尋ね下さい。

経口避妊薬(ピル)の服用が禁忌となる場合

 以下の様な方はピルの服用が副作用を生じる危険性が高く、服用はしてはいけないと考えられています。ご質問があれば担当医師にご相談下さい。

  • ①ピルの成分に対して過敏性素因のある方
  • ②エストロゲン依存性腫瘍(例えば乳癌、子宮体癌、子宮筋腫)、子宮頸癌およびその疑いのある方
    診断の確定していない異常性器出血のある方
  • ③血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患またはその既往のある方
  • ④35歳以上で1日15本以上の喫煙者
  • ⑤血栓性素因のある方
  • ⑥抗リン脂質抗体症候群の方
  • ⑦大手術の術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内、長期安静臥床状態の方
  • ⑧重篤な肝障害がある方
  • ⑨肝腫瘍のある方
  • ⑩脂質代謝異常のある方
  • ⑪高血圧のある方(軽度の高血圧患者を除く)
  • ⑫耳硬化症の方
  • ⑬妊娠中に黄疸、持続性掻痒症または妊娠ヘルペスの既往歴のある方
  • ⑭妊娠または妊娠している可能性がある方
  • ⑮授乳中の方
  • ⑯思春期前の方

経口避妊薬処方に関わる料金

  経口避妊薬は病気を治療するための薬剤ではありませんので、料金は自費となります。