福岡市南区平和のすみい婦人科クリニック

  不育症とは、妊娠には至るが流産に終わってしまう総称です。
流産は全妊娠の12-15%に見られますが、2回以上流産を繰り返しますと3回目も流産に至る
確率が25-30%と高くなります。従いまして、2回以上流産を繰り返す場合反復流産、
3回以上流産を繰り返す場合習慣流産といって、その原因検索およびその対策が必要と思われます。

2原因や検査は?

  原因は大きくわけるとホルモン系の異常と免疫系の異常とに分けられます。
ホルモン系の異常の検査としましては、月経中と黄体期(基礎体温の高温期)に採血を行います。
それにより、卵の質の状態や受精後に着床が維持できる状態なのかがわかります。
もし、異常が見つかった場合でもお薬や注射で治療できます。
本来、赤ちゃんがお腹の中で育っていくためには、赤ちゃんを自分の身体の一部(自己)と
認識しなければいけません。しかし、免役異常があると、赤ちゃんがお腹の中に宿ると、
身体が自分の身体の一部と認識せず(非自己)、それをやっつけようと働きます。
また、赤ちゃんはお母さんから血液を介して栄養をもらっています。
しかし、その血液が流れている血管に血の塊(血栓)を作りやすい体質であれば、血液の流れを塞ぎ、
その結果赤ちゃんへ栄養がいかず育たなくなります。
これらはすべて血液検査でわかります。これらに異常が見つかった場合お薬で治す事ができます。
また、頻度的には少ないのですが、御夫婦間の染色体異常があれば、赤ちゃんへも引き継がれます。これも血液検査でわかります。しかし、染色体異常が見つかった場合、治療方法はありませんが、
次回妊娠がどれくらいの確率で上手く行くかの指標には成り得ます。
その他、子宮の形態異常がないか、子宮卵管造影検査を行います。
子宮のお部屋が狭かったり、2つに分かれていたりした場合などは流産の原因になります。
この場合には手術など必要になる場合がありますので、手術ができる大きな病院を紹介させて頂きます。

3治療方法は?

原因によって治療法がそれぞれ異なります。ホルモン関係の異常であれば、
飲み薬や注射を用いた排卵誘発剤による卵の質の改善を行います。
また、免疫系の異常が見つかれば、飲み薬を用いて治療を行います。
また、治療が終了するまで避妊をして頂きます。

4治療成績は?

一般に不育症患者さんが次回妊娠で元気な赤ちゃんを得る確率は70-80%と言われています。