福岡市南区平和のすみい婦人科クリニック

子宮内膜症について

1子宮内膜症ってなに?

  子宮内膜症は、子宮内膜と類似した組織が子宮内腔以外の骨盤臓器内で増殖する疾患を言います。
月経の度に子宮内腔以外の骨盤臓器内で子宮内膜と類似した組織が増殖していき、
骨盤内の癒着などを引き起こし、月経痛や性交時痛、さらに不妊症の原因にもなります。
頻度的には月経周期を有する女性の5-10%程の罹患率があります。

2子宮内膜症の症状は?

  子宮内膜症の症状は一般的に子宮筋腫と同様で、月経痛、下腹部痛、性交時痛が主な症状です。
しかし子宮筋腫と違うのは、子宮筋腫の場合は中高年の女性に多い病気ですが、
子宮内膜症は、若い女性、特に20-30歳代に多く見られます。
また、特徴的なのは次第に増強していく月経痛がみられる場合は一番注意しなくてはいけません。
症状が進行してくると、骨盤内の癒着などを引き起こし不妊症の原因にもなります。
逆に、不妊症の40-50%にはこの子宮内膜症が原因の一つとも言われています。

3治療はどのような方法がありますか?

  子宮内膜症は、前述のごとく月経の度に増悪していく疾患ですので、
月経を止める方法が第一選択となります。月経をとめる方法として、薬を用いた偽妊娠療法と
偽閉経療法があります。偽妊娠療法ですが、いわゆるピルを用いた治療法です。
女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)の両方入った薬ですが、
肝機能障害などの副作用があり長期に服用するには注意が必要です。
もちろん、妊娠を御希望の御婦人にとっては自然に妊娠成立すれば、
それが子宮内膜症の治療にもつながります。
偽閉経療法には内服薬と点鼻薬と注射の3種類の治療法があります。
内服薬には、ダナゾール、ジエノゲストという薬があります。両者とも主に
子宮内膜に直接働き掛けて子宮内膜を萎縮させ、閉経に伴う更年期症状はみられませんが、
ダナゾールはステロイド剤ですので、肝機能障害や体重増加、にきび、
多毛などの副作用がみられることがあります。点鼻薬や注射にははGnRHアナログ製剤があります。
これらは、下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンを抑制して排卵、月経を抑え6ヶ月間使用します。
副作用として、ほてりなどの更年期症状がみられます。また、骨量が減少し骨量低下症や骨粗鬆症など
引き起こしますので、6ヵ月間が使用期間と限定されています。いずれの薬も効果の面では同じです。

4最後に

  子宮内膜症は、月経を有する女性、特に20-30歳代の若い女性に多い病気です。
診断方法は婦人科診察と超音波検査を行います。
また、疑わしい場合は血液検査でCA125といわれるマーカーを調べます。
最近、月経痛や性交時痛がひどいと思われる方は一度、当クリニックへご相談下さい。